2012年8月17日金曜日

旦那さまをお相手に

「旦那さまをお相手に、室内で輪投げなど如何です」
「ああ、それはいい思いつきですわね。でもベラン氏は、あのとおり、運動嫌いですものねえ。貴方に相手をしていただこうかしら」
「いやいや、それは真平です」
 ベラン氏が、僕の方をじろりと見たが、僕の目と会うと、周章てて目を本の上に落とした。
 それがきっかけとなり、ミミは僕をつかまえて、輪投げを挑んでしかたがなかった。結局、すこし狭いけれど、倶楽部の部屋を斜めに使って、輪投げ場をこしらえた。
 最初はミミと僕だけがそれを楽しんだが、間もなくフランケやワグナーや、はては魚戸までも参加するようになった。
 それが機会となって、魚戸と僕は再び地球の上での交際をとり戻した。
 或る日、めずらしく宣伝長のイレネが、倶楽部に顔を出した。その手には、書翰綴をもっていた。


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