羚羊の姿が見えるという、仔を連れているという、しかしここからはあまりに遠くて、弾丸は届くまいと残念そうである。沢川の根というところは少しく平になっている、数年前会社で木を伐り出した時に、六尺幅ほどの林道を作ったその跡だという。道は今甚しく崩れて、人も通れぬが、この辺にはそれらしい様子は見える。
西山連峰の上を、富士が高く現われている。北には地蔵薬師等の山々が、重なり合うて、前岳の大崩れは、残雪のように白く輝く、やや西へ寄って白河内の山が鮮かに姿を出している。ここで昼食をすませ、スケッチを試み、暫時休息した。
目的地の六万平はなお半里の西で、これから往ったのではただちょっと見て来るだけで、絵など描いていては、温泉へ帰るのは夜になると宗忠は心配気にいう。足下の悪い道を夜になって帰るのは好ましくない。この辺に小屋があらば今夜は泊って、明朝早く六万平へ往こうと決心した。幸い半道ほど下に宗平の家の小屋があるというので、疲脚を鞭うって下山した。
落葉の道は、上りよりも下りはいっそう歩み悪い、ともすれば辷りそうで、胸を轟かしたことも幾度かある、来た道を右に折れてトンボの小屋へ着いたのは三時頃であったろう。
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