2012年12月14日金曜日

息子に対する逸作の愛情

――息子に対する逸作の愛情は親の本能愛を裏付けにして実に濃やかな素晴らしい友情だとかの女は視る。
不精な逸作は、煩わしい他人の生活との交渉に依らなければ保たれない普通の友人を持たないのである。他の肉親には、逸作もかの女も若い間に、ひどいめに会って懲りて居る。その悲哀や鬱憤も交る濃厚な切実な愛情で、逸作とかの女はたった一人の息子を愛して愛して、愛し抜く。これが二人の共同作業となってしまった。  逸作とかの女の愛の足ぶみを正直に跡付ける息子の性格、そしてかの女の愛も一緒に其処を歩めるのが、息子が逸作にとって一層うってつけの愛の領土であるわけなのだ。かの女と逸作が、愛して愛して、愛し抜くことに依って息子の性格にも吹き抜けるところが出来、其処から正直な芽や、怜悧な芽生えがすいすいと芽立って来て、逸作やかの女を嬉ばした。逸作やかの女は近頃では息子の鋭敏な芸術的感覚や批判力に服するようにさえなった。だが、息子のそれらの良質や、それに附随する欠点が、世間へ成算的に役立つかと危ぶまれるとき、また不憫さの愛が殖える。 業務用エアコン名古屋・愛知・岐阜・三重県での《激安!》販売~修理承ります 鞍に拠りて顧眄す