三郎たちは、その場で、宇宙服を配給され、それを着た。
金属で出来た鎧や兜は、見たところ、ずいぶん重そうであったが、身体につけてみると、思いのほか、そう重くはなかった。なかなかいい軽合金で作ってあるものと見える。
さて、宇宙服を皆が着てしまったところは、実に異様な光景であった。なんだか銀色の芋虫の化け物に足が生え、両足で立って、さわいでいるとしか見えなかった。
「どうです。思いのほか、らくでしょう」
と、説明者がいった。
「どうもへんですね。だって、この兜をかぶると、音は聞えないはずだが、ちゃんと、おたがいの話が聞えますよ」
三郎は、それがふしぎでならなかった。
「それはなんでもないことです。いま、この部屋には空気があるから、あたりまえに、声が空気を伝わって聞えるのです。しかし、触角をふれあってごらんなさい。皆さんが口をきけば、触角は空気中でも同じく震動をしますから、触角をふれあっても、話は聞えるはずです。練習かたがた、ちょっと皆さん同志で、やってみてください」
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