あるいはこれを、小川の裾の秋谷明神へ届けるのであったかも分らない。そうすると、名所だ、と云う、浦の、あの、子産石をこぼれる石は、以来手毬の糸が染まって、五彩燦爛として迸る。この色が、紫に、緑に、紺青に、藍碧に波を射て、太平洋へ月夜の虹を敷いたのであろうも計られません、」
とまた恍惚となったが、頸を垂れて、
「その祟、その罪です。このすべての怪異は。――自分の慾のために、自分の恋のために、途中でその手毬を拾った罰だろう、と思う、思うんです。
祟らば祟れ!飽くまでも初一念を貫いて、その唄を聞かねば置かない。
心の迷か知れませんが。目のあたり見ます、怪しさも、凄さも、もしや、それが望みの唄を、何人かが暗示するのであろうも知れん、と思って、こうその口ずさんで見るんです――行燈が宙へ浮きましょう。
(美しき君の姿は、
萌黄の蚊帳を、
蚊帳のまわりを、姿はなしに、
通る行燈の俤や。)……
勿論、こんなのではありません。または、
(美しき君の庵は、
前の畑に影さして、
棟の草も露に濡れつつ、
月の桂が茅屋にかかる。)……
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